July 31, 2005
N中吹奏楽部，ゴールド金賞
今日は，吹奏楽コンクール県中部大会。私の娘が入っているN中学吹奏楽部も出場する。私は，後援会副会長という立場で付き添っていった。演奏は，「びみょ〜〜」。
うまくいったところもたくさんあったのだが，失敗もたくさんあった。出場15校中7校が金賞となって県大会へ進出するのだが，15校の演奏が終わったところでの私自身の採点では，N中学は8位だった。
帰ったら後援会だよりを書かなくてはならないのだが，金賞だったときの文章と銀賞だったときの文章が入れ替わり立ち替わり浮かんできた。
そして，閉会式の結果発表。
「N中学校……」と，ここで間があいた。間があくと，次に来る言葉は「ゴールド金賞」と相場が決まっている。期待通り，金賞だった。私自身の中ではすっかり銀賞を覚悟していたので，ほっとした。
N中吹奏楽部は，結果発表のときに「N中学校，ゴールド金賞」と発表されても，「きゃー！」と黄色い歓声を上げたりしない。黄色くない歓声も上げない。今日も，息をのむ音だけが聞こえた。嬉しくないわけではない。金賞で当然などと思い上がっているわけでもない。歓声を上げて跳び上がる学校と同じように嬉しいのだ。ハンカチで目頭を押さえる子どもが何人もいるのだ。
それでも歓声を上げないのは，銀賞や銅賞に泣いている学校が同じ会場内にいるからだ。銀賞や銅賞に泣いている学校のすぐそばで歓声を上げたりするわけにはいかない。それが，N中学校吹奏楽部の優しさなのだ。
逆の学校もあった。
今日は，15校中7校が金賞になるのだが，結果発表を出演順にやっていったとき，最後の5校になったときにまだ金賞が4つ残っていた。最後から5番目の学校が金賞でなければ，あとの4校の金賞が確定するのだ。最後から5番目の学校は，O中学校だった。そして発表。
「O中学校，銅賞」
ところが，その瞬間，「きゃー」という歓声が上がった。もちろん，O中学校があげた歓声ではない。O中学校が銅賞になったことによって金賞が確定した残り4校の中に，歓声を上げた学校があったのだ。
気持ちはわからないではない。金賞への道がどれだけ険しいものであるのかは，「所さんの笑ってこらえて」の「吹奏楽の旅」が一般の人たちにも知らしめてくれた。自分たちが金賞だとわかった瞬間，歓声が口から出てしまう気持ちもわかるのだ。でも，「銅賞になってしまったO中学校の気持ちもわかれよ！」と言いたくなってしまう。「銅賞」というと「第3位」だと思う人がいるようだが，吹奏楽コンクールの「銅賞」は敗北の証なのだ。銅賞より下はないのだ。自分たちの演奏を銅賞と評価されてしまった同じ吹奏楽人の気持ちを，少しは感じてやれよ。
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