August 30, 2007
「感じて動く」佐渡裕 聞き手 辻秀一
佐渡裕さんの「感じて動く」を読み終えた。スポーツドクターの辻秀一さんとの対談を本にしたもの。対談とは言っても，辻さんがテーマを示して，それについて佐渡さんが話すという感じ。佐渡さんの音楽に対する独特の熱情が伝わってくるような内容だった。
実は，私は佐渡さんのファンだ。佐渡さんが振るシエナの「アルメニアン・ダンス」を笑う人もいるけど，私はああいうのが大好きだったりするのだ。
ファンだと言ったが，佐渡さんのことを知ったのはそれほど昔ではない。書店でたまたま「僕はいかにして指揮者になったか」という題名の本を見つけ，それを買ったのが「佐渡裕」という指揮者を知った初めてだった。その本を読んで，「面白い指揮者がいるもんだなあ」と思っていたら，「佐渡裕」という名前があちこちで見られるようになり，あげくのはてはネスカフェの「違いのわかる男」になってしまった。
「感じて動く」を読むと，佐渡さんがコンサート会場に生まれる「気」を大切にしているのがわかる。シエナのコンサートのアンコールは，聴衆も混ざっての「星条旗よ永遠なれ」だけど，マーチとは言えないような「爆走」テンポでしめくくられる。あれは，曲の解釈というような話ではなくて，会場の「気」を高めようとするからなのだろう。
私は，現在は中学校の吹奏楽部顧問という立場にあるけど，もっと早い時期から吹奏楽をやっていたかったなあと，佐渡さんの本を読むと思う。私が吹奏楽部の顧問になったのは教員になってから２０年目のことだった。大学ではロックバンドをやっていたから，吹奏楽経験としては２５年の空白があったことになる。もっと若いうちから吹奏楽をやっていたら，指揮法も吹奏楽法ももっときちんと勉強できたんだろうにと思う。
まあ，人生を逆戻りするわけにはいかないので，そんなことを悔いてもしかたないのだけど。
明日から，二学期が始まる。部活は，あさってから。またしばらく，吹奏楽漬けの日が続くことになる。
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